ドメーヌ・トロテローはロワール河から少し離れたエリア、サンセールの南西に位置する、カンシー村にあります。カンシーの栽培面積は200ha弱と狭く、近隣のエリアと比較しても小規模なエリアです。アペラシオンの歴史は古く、14世紀には宮廷御用達となり、フランス国内でも多く親しまれ、1936年にAC認定されました。同年に認定されたシャトーヌフ・デュ・パプと並びフランスでも有数の歴史を持つアペラシオンの一つとされています。そんなカンシーでも有数の作り手、ドメーヌ・トロテローの現在のオーナーは9代目のピエール・ラゴン氏です。畑は石英を多く含む粘土石灰質です。通常のカンシーの畑は1988年に植樹しました。ヴィエイユ・ヴィーニュの畑は1905年と1934年に植えられたもので、樹齢100年を超える古木もあります。ヴィエイユ・ヴィーニュの畑はマルコタージュ法というブルゴーニュの取り木法と共通する仕立てが残っています。これは生育中の枝の一部を土に埋めて「子株」とし、埋親株と切り離さずに畑の栽培密度を保つ方法です。何世代にも渡り取り木することで、古来よりその畑に植えられている種を保つことができます。
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