クロアチアのワイン ~数千年に及ぶワイン文化のモザイク~
クロアチアの葡萄栽培は約2,500年前にギリシャよりもたらされます。そしてローマ時代 紀元280年頃 マルクス アウレリウス プロブス帝にによって沿岸部のダルマチア地方から内陸部のパンノニアまで植樹されていきました。その後、オスマン帝国、ヴェネチアやオーストリア ハンガリー帝国と支配者は変わりますが、独立後の現在に至るまで、様々な時代と文化をモザイク様に吸収してワインを造り続けています。
~スラヴォニア - ドナウ地方のイロク (Ilok)地区~
ドナウ河沿いに広がるクロアチアで最も東に位置する生産地域。ゆるやかな斜面とドナウ河沿いのやや高い位置にある大地が特徴。イロクはこの地方を地域を代表するワイン産地でセルビアとドナウ川を挟んで国境を接しており、クロアチア最東端の地です。昔から交易の要所として栄え、重要な文化的、歴史的な遺産も多くありゴシック教会やオスマン時代のイスラム様式の建物の跡など、東西の芸術の違いがはっきりと現れているクロアチアでは興味深い町の一つです。
歴史
創業1450年。クロアチアで最も古くから続くワイナリーです。ボルドーやブルゴーニュが自家詰めを始めるはるか前の1700年代より元詰めを行っており、クロアチア国外にワインを売った最初のワイナリーでもあります。イロク地区は収穫される葡萄のクオリティが非常に高いことで知られ、ドナウのワイン王国とも呼ばれます。1953年には英国のエリサベス女王の即位式に11,000本ワインを収め、今もイギリス王室のワインリストには彼らのワインがオンリストされています。
畑は全て自根 (接木していません)
葡萄はドナウ河に向かって穏やかに傾斜する、フルシュカゴーラ山(セルビア)西部の斜面に植えられてます。標高は153~200m。土壌はチェルノーゼムレス(黒色の厚い腐植層、その下に炭酸カルシウムの集積層が重なります)とドナウが運んだ沖積土。所有面積は360ha。
また19世紀後半に世界的に猛威をふるったフィロキセラの被害もクロアチア東部では地質、気候的要因と国際品種が殆ど植えられていなかった関係で葡萄が生き残り、現在に至ります。
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