ビュジェ(Bugey)というエリアは日本ではあまりなじみが無いかもしれませんが、サヴォワ地方の一番西側に位置した自然豊かな美しいエリアです。近くにはエメラルドブルーに輝くローヌ河が流れ、周りは雄大な山々に囲まれ、その山々からは清らかな湧水も出ています。またこのあたりは近年、ツールドフランスのコースのひとつとしても知られるようになりました。カヴォーキナールのワイナリーは、そんなビュジェエリア内でもブルジェ湖の西「マシニュー・ド・リヴ(Massignieu-de-Rives)」にあります。オーナーのジュリアン・キナール氏は、4世代から受け継いだ畑を2008年からすべて有機農法に改良し、現在では2012年VTから、このワイナリーのすべてのワインが有機栽培による葡萄により収穫されたワインとなっております。その畑はジュラ山脈系の西側のエリアにあたるグラン・コロンビエ峠からほど近い、標高300~400mの南側にあり、計12ha所有しています。所有している畑の半分以上はシャルドネ種の畑になりますが、ピノノワール種やアルテス(ルーセット)種、ガメィ種などもほぼ同じ土壌構成のもと栽培されています。その土壌は、主にジュラ紀の粘土石灰質土壌が中心になりますが、その上に3万年前~1万年前の最終氷河期までに生じた、氷河の浸食によるアルプス山脈由来の花崗岩・変成岩などが含まれた「モレーン(氷堆石)」が重なり、ワインにはより複雑なミネラルが与えられます。なお、サヴォワ地方の中でもこのビュジェのエリアでは、主にシャルドネ種、アルテス種、ガメィ種、モンドゥーズ種、そしてピノ ノワール種などが主要葡萄品種として栽培されています。