1600年代から400年以上に渡り葡萄造りをしている生産者。
ワイナリーは南イタリア、シチリアの南に位置するヴィットーリアにアグリヴィニコーラ・ディ・ポルテッリ・サルヴァトーレはあります。1604年から、この地で葡萄栽培を行い、ヴィットリーリアでも古いワイナリーの一つでもあります。現在、当主で父親のサルヴァトーレ氏と息子で醸造担当のアレッサンドロ氏の親子2代が中心となり、葡萄からワイン造りを行っています。アレッサンドロ氏は14歳のときから収穫、そして醸造を手助けし、農業学校卒業からワイナリーの醸造を担っています。ヴィットーリア周辺に12ヘクタールを所有。先代からの土地を守り、より土地の味を引き出そうと2014年よりオーガニック農法へ完全に移行。また、畑での葡萄栽培と醸造はビオカレンダーに準じたワイン造りを行っています。収穫は全て手摘み。彼らの所有する葡萄畑の地質年代は新第三紀の鮮新世。土壌は粘土石灰。シチリアの恵まれた太陽・気候・土壌から育まれる地場品種と自然で素直造りをした赤ワインは、南ながらも暑苦しくないエレガントなスタイル。土地をワインで表したいという彼らの姿勢が、そのままワインとして瓶に詰まっています。
シチリア南部にのみ栽培されている葡萄品種
イタリアの最南部と言っても、緯度としてはアフリカ大陸のチュニジアと変わらないシチリア南部のラグーザ県でのみ栽培されている葡萄品種、フラッパート。別名、フラッパート・ディ・ヴィットーリアとしても知られているシチリア南部の地場品種。果皮は薄く香りが豊かな葡萄品種。軽やかに広がるチェリーの香りと柔らかなタンニン。南ならではの温かみはありつつも、決して重くはありません。濃くもありません。決してインパクトがある訳ではないけれど、口にすればするほどに、魅了される奥深い味わい。シチリア南部ならではの地場品種。
シチリアでは初であり、唯一のDOCG
チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアは2005年にDOCからDOCGへ。現在、シチリアのDOCGはこのチェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアのみ。使用される葡萄品種は2種類のブレンドのみ。そのブレンド比率もフラッパート30%以上50%以下、ネロ・ダーヴォラ50%以上70%以下と規定されています。つまりシチリア南部の地場品種である2つの葡萄のブレンドのみ造られる赤ワイン。凝縮感のあるフルボディなタイプというよりは、シチリアの恵まれた食材、例えば豚肉から造られる生ハムや新鮮な野菜や魚介から作られるシンプルな料理を包み込む、ゆったりとした優しい味わい。そのスタイルはエレガント。熟成のポテンシャルも秘めた赤ワイン。